子供の視力 eyesight
3歳半~4歳半くらい(年中さん)に一度、眼科で視力を測りましょう
視力などの眼の機能は、0歳から急速に発達し6歳までにほぼ成長を終えます。
屈折異常・先天性白内障などがあれば、3~4歳くらいには発見し、治療しなければなりません。視力の成長期が限らえれているため、治療時期もとても限られてきます。
早期に異常を発見し、治療可能な時期を逃さないことがとても大切です。
視力の発達する期間(生後すぐ~6歳)に、眼の病気・屈折異常・けがなどがあり、「物をくっきりと見る」ことが妨げられると、視力の発達は遅れてしまいます。これを「弱視」といいます。
弱視は、普段の生活では何も症状がなく、保護者の方々が見てもほとんどわかりません。6歳になって小学校に上がり、視力検査をして初めて気づくことが多いのです。
お母様が気づいて来院される症状・・・絵本を集中して見ない・落ち着きがない・けつまづきやすい・階段を怖がる・ジャングルジムで遊びたがらない・目が正面を見ていない(特に内側に寄っているときは注意)・・・など
弱視の治療で重要なことは、早く発見して早期治療を行うことです。
そのためには、4歳前後(4歳で上手に視力検査できるようになります)に眼科に来て視力検査をしましょう。
視力の発達期間を過ぎてから治療を始めても、なかなか治しにくいのですが、
5歳ぐらいまでにメガネでトレーニングすると弱視は治ります。治療開始が遅くなるほど、反応は悪く治りづらいです。
お子様自身が視力検査ができない小さい年齢でも、視力以外の他の検査で発見することが可能で、メガネを作ることはできます。
皆様も、You-tube 「園児のための視力検査」(日本眼科医会監修)を是非見てください。
子供の視力測定は、字ひとつ視力計で測定するのが基本です。
発達していない子供の目は、字・記号がたくさん並んでいる(字詰まり視力計・・・大人が測っている視力計)と、ひとつひとつを見分けることができなくて視力が悪く出がちです。
どちらが開いているか(ランドルト氏環)、ひとつずつ記号を見せてゆっくりと測っていき、レンズを前に入れて最高いくらまで見える(矯正視力)か測定し、矯正視力(1.0)以上出れば成長はほぼ正しく行われています。
眼鏡が必要か精密屈折検査をした上で、決定します。検査用の目薬を差して1時間待っていただき、再度、度数を調べます。眼鏡ができてからも、眼科に通院して、どのくらい視力が改善しているか、定期通院が必要です。
視力のあまり出ていない子供は、眼鏡をかけた状態で、視力の良い方の目にアイパッチ(片眼を塞ぐ)、良い方の目に点眼をする(アトロピンペナリゼイション)、弱視訓練を器械で行う、などして見えにくい目で物を見るようにトレーニングする必要があります。
当院では、「オクルパット」というゲームのようなものでも訓練を行っています。
当院では依頼を受けた幼稚園に検査に出向いています。
検査器械(自動屈折検査計)を持って職員と共に行きます。現在は、スポットビジョンスクリーナーを2個持参し、少しくらいお部屋で屈折検査を行っています。小学校に行くまでの視力成長期(臨界期)に、弱視(屈折性弱視)を発見するためです。
年中さん以上の年齢では上手に検査が出来ます。屈折異常、特に遠視、遠視性乱視を発見し、幼稚園を通じ保護者にお知らせし、眼科受診をお勧めしています。